デザインでこだわったポイント
作品名:LOVERS OSAKA

大阪城や通天閣、心斎橋のネオン看板、タコやタイガーといった街を象徴するモチーフに加えて、府の木である「いちょう」、府の花である「うめ」と「さくらそう」も取り入れています。
デザインでは、この街らしいにぎやかさを残しながら、少し上品な佇まいにまとめることを意識しました。モチーフをたくさん散りばめつつ、細い線画で表現を揃え、ネイビー・淡いブルー・イエローに色数を絞ることで、にぎやかになりすぎないようにしています。
中央にはあえて大きく余白を取り、細かなモチーフを見つけていく楽しさも残しました。土地らしさをぎゅっと詰め込みながら、長く手元に置いておきたくなるような一冊を目指しました。
小口には、星・うめ・いちょうの3種類のデザインを用意し、それぞれ違った表情を持たせています。一つの表紙にも関わらず、手に取るときに「どれにしよう」と選ぶ楽しみが生まれたのはD-EDGEが生んだ付加価値の一つだと思います。
作品名:OCEAN

厚みのあるペーパーバック型のノートと、小口までデザインできるD-EDGE。
その特徴を見て、平面の印刷物としてではなく、手に取ったときにプロダクトとして心が弾むような一冊にしたいと思いました。
ただ書くためのノートではなく、「ここに書くこと自体が少し特別になるようなデザインってなんだろう」と考えたときに思い浮かんだのが、以前見たウィリアム・モリスの装丁や、古い洋書でした。そこから、アンティーク洋書をテーマにデザインしました。
表紙は、古い洋書の装丁を思わせる細密な装飾をベースに、クジラやクラゲ、サンゴ、貝殻、魚など、海のいきものたちを散りばめました。深いネイビーを基調に、ブルーやゴールドを重ねることで、深い海の神秘的な雰囲気と、古い装丁のような重厚感が表現できました。
D-EDGEのおかげで、表紙と小口にモチーフと装飾を連ねることができ、一冊で「OCEAN」の世界観を表現することができました。
D-EDGEでの仕上がりについて

実際に出来上がったものを手にしたとき、表紙だけで見ていたデザインが、小口印刷や紙の質感によって、一冊のプロダクトとして立ち上がったように感じました。
ゴールドのやわらかな輝きや、厚みのあるノート、小口まで続く絵柄が合わさることで、想像していた以上に世界観が強く感じられる仕上がりになったと思います。
「書くためのノート」というだけではなく、手に取ること、持っていることそのものに高揚感を与えてくれる一冊になりました。
D-EDGEにデザイナーとして期待すること

表紙・裏表紙・小口までを一続きのキャンバスとして考えられることに、大きな可能性を感じています。小口そのものを主役にした表現も楽しそうです。
本文用紙との相性によって、より精細なデザインやコントラストの強い表現、蛍光インキなどにも挑戦できるなら、さらに表現の幅が広がりそうです。
用紙や印刷、製本との組み合わせによって仕上がりが大きく変わるからこそ、デザイナーが早い段階から加工の特性を知り、一緒に設計できる機会が増えると、D-EDGEだからこそ生まれる表現をもっと生まれると思います。
もしあなたがD-EDGEを自由に使えるとしたら、どのように使いますか?
自由に使えるなら、ストーリーのある企画と組み合わせてみたいです。
たとえば、ミステリーの伏線が本文やD-EDGEに仕込まれていて、小口の絵柄が物語を読み解く鍵になるようなもの。印刷や製本そのものが、物語の一部になる商品はとても面白そうです。
また、今回の「大阪」や「海」のようなシリーズを広げて、47都道府県や、植物・昆虫・動物など、テーマごとに集めたくなる展開もしてみたいです。
ほかにも、好きなアーティストさんに12冊で一枚の絵になる連作をつくってもらい、ウォールシェルフとセットで販売するなど、本としてだけでなくインテリアとして楽しめるものにも可能性を感じます。
読む、書く、集める、並べる、飾る。
D-EDGEだからこそ生まれる楽しみ方を、いろいろ試してみたいです。